将棋が強くなる方法は、沢山あります。実戦、詰将棋を解く、棋譜を並べる、等々…
他に、格言を覚えることも挙げられます。格言は実戦で結構役に立ちます。
ここでは、格言を少しづつ紹介していこうと思います。飽きるか、見る人がいなくなるまで続けようと思います。
桂馬の高飛び歩の餌食
文字通り、桂馬が相手の歩の餌食(えじき)になってしまうケースを格言にしたものです。
続きはコチラ>>「桂馬の高跳び歩の餌食」解説
金底の歩岩より固し
これは守備的格言です。金が2段目にいてその下に歩を打つことを言います。
続きはコチラ>>「金底の歩、岩より固し」解説
3歩持ったらつぎ歩と端攻め
歩を沢山もつといろいろ攻めに使えます。
次のケース、どうやって攻めますか?
王手は追う手
へたに王手が続くからといって、無駄に王手をして相手の王様を逃してしまってはだめという意味、次の格言と一緒に覚えておくと相手の王様への迫り方が上手くなるかも
王手するよりしばりと必死
上の格言と似た意味、詰まない王様を無駄に追いかけて寄せづらくしてしまうよりも、次に詰ますぞといった手の方が受けづらかったり、分かり易かったりするので、詰みを読み切ってない場合は詰めろ(次に詰みがある手)を指した方が捕まえやすい事の方が多いです。
一例が「玉の腹から銀を打て」です。
と金の遅早
と金の遅早(おそはや)は、一見遅いようでも厳しい攻めゆえに早い攻めになるという格言。
続きはコチラ>>「と金の遅早」解説
大駒は近づけて受けよ
これは、1手争いの終盤戦に役立つ格言です。
△7三角の王手に対して、どう受けるのが良いでしょう?
桂先の銀定跡なり
これは、相手の桂馬の動きを封じるには銀で受ける、という格言。
図のような局面。△3六桂を防ぐための、最初に浮かぶべき受けの一手は?
答え→「桂先の銀定跡なり」解説
王飛接近すべからず
飛車は攻撃力は強いですが、ななめに効かないので攻めやすい駒になります。相手に渡ってしまうと一番まずい駒になるため狙われる対象になります。
そんな飛車が王様に近いと、飛車を攻める手が自然と王様への脅威になってしまうという格言。
終盤は、いきなり王様に迫るというよりも、周りの受け駒を狙って行くのがいいと思います。
王の早逃げ8手の得
これは、受けの格言。好手になることが非常に多いです。
後手は次に、△4七銀を狙っていますが、こんな時こそ、この格言を思い出したいものです。
続きはコチラ>>「王の早逃げ8手の得」解説
将棋は歩から
強い人との差は、歩の使い方といってもいいぐらい、歩をうまく使えると強くなります。
歩だけで相手の駒の動きを弱体化させること、手を遅らせること、守りを強化することができます。
将棋の上達法でプロの将棋を並べることを進めますが、並べたとき歩の使い方をよく見てください。
1局のうちに10回以上、手筋、格言のような歩の使い方が出てきます。
歩のない将棋は負け将棋/1歩千金
歩に関係する格言は、沢山あります。歩一枚のおかげで、受けることができたり、攻め切ることができたり…といった局面は頻繁に出現します。
歩というものの価値は非常に高いので、
① 歩を持ったら、相手の弱点を突く
②「ここに歩が打てれば守備が安定する」と考えられる時、その筋にある歩をあらかじめ突き捨てておく
プロは歩の突き捨てをよくしますが、上記のような狙いを含んでいることに目を向けると理解が進むでしょう。
馬は自陣に/馬の守りは金銀3枚
「馬は自陣に」と「馬の守りは金銀3枚」は同じ趣旨の格言。
今、瀬川六段が▲1三角成としたところ。
このあとの進行は?
続きを見る→「馬は自陣に/馬の守りは金銀3枚」解説
居玉は避けよ
居玉とは、王様が初期の位置、5一、5九から動かないことをいいます。居玉のままでは、王様の守りが薄いので、反撃をされるとすぐに寄せられてしまいます。戦法にもよりますが王様は囲ってから攻め始めることをお勧めします。
金は斜めに誘え
相手の金に揺さぶりをかける常套手段は?
答え→「金は斜めに誘え」解説
敵の打ちたいところへ打て
2022年5月24日、第7期叡王戦五番勝負第3局・藤井聡太叡王 vs 出口若武六段の中盤戦。
後手の狙いは△7六歩。
…なら、先手の次の一手は?
3桂あったら詰まぬことなし
「持ち駒に桂馬が3枚あったら必ず相手の玉には詰み筋が生じる」という意味のこの格言。
「あてにならない格言」の代名詞みたいな格言ですが、「桂馬を3枚持ったらいろいろな可能性がある」という意識を植え付けるのには十分かもしれません。
持ち駒に桂馬が3枚あったら、「何か技が決まるかもしれない」と思って、一呼吸いれて盤面を見ると良いと思います。
焦点の歩に好手あり
相手の駒が沢山効いているところにポンと打つのが焦点の歩(しょうてんのふ)。
続きはコチラ>>「焦点の歩に好手あり」解説
王の守りは、金銀3枚
絶対ではありませんが、将棋の基本になります。
王様は金2枚と銀1枚で囲うのが基本で、攻めは飛車、角、銀、桂馬、香車で組み立てて行くのが基本です。
前の格言でもありましたが、居玉は反撃がきついので、囲ってから戦った方が負けにくいと思います。
へぼ将棋、王より飛車をかわいがる
大駒がかわいいあまり、肝心の王様にピンチが迫ってきているのに気づかず、飛車などの駒を守り負けちゃう事、将棋は王様をお互い詰ますゲームです。時には、大駒を犠牲にして相手王様を詰ませば勝ちなので、終盤は飛車、角を犠牲にすることも視野に入れて指してください。
名人に定跡なし
名人は一番強いのだから、名人の指す指し手は、定跡にとわられず、その指し手がこれからの城跡になるという感じの意味、この格言をもじって僕は、アマ名人に常識なしという格言を作りました。これは悪口ではなくて、将棋が好きでここまできたのだから、常識しらなくても許して下さいという意味です。
桂は控えて打て
桂馬をどこに打ちますか?
答え>>「桂は控えて打て」解説
角交換に5筋は突くな
これは、すべてには当てはまりませんが、角を序盤に交換した場合、5筋を突いていると角の打ち込む隙ができて、馬を作られるチャンスが生まれがちです。
なので、角交換後、5筋をつくときは角を馬にされないかよく確認した方がいいです。大駒をとにかく、馬や、龍にするだけで、有利になっていくので、相手の陣形をみて、隙があったら大駒を打ち込んでみて下さい。
終盤は、駒の損得よりスピード
終盤戦は、とにかく相手の王様を詰ませれば勝ちなので、大駒だからもったいないとか、そういった事にとらわれず、飛車で桂馬を交換したり、大駒を犠牲にして、相手の攻めを遅らせたりして、勝利をたぐり寄せます。
逆に序盤は、駒の損得にこだわり、駒得を狙って、局面を有利に進めていくのがいいと思います。
玉の腹から銀を打て
「王手は追う手」の場面で最善手にたどり着くためのヒントになる格言がこれ。
後手玉を受けなしにする次の一手は?
答え>>「玉の腹から銀を打て」解説
1歩千金
格言で、歩に関する事柄が多いのはここまで見てくれてる方なら気づいていると思います。
歩は、とても大切な駒で、相手に取られても歩であるため、捨てやすいし、受けにも、攻めにも使いやすいとても万能な駒です。
今は、プロの将棋をユーチューブとかでも見れます。プロの歩の使い方を勉強するとわかりやすいと思います。1局のうちに10回ぐらいは格言があてはまる手筋が出現するかと思うので、この手はこの格言など思いながら見るのもいいかと思います。
序盤は飛車より角
一概にすべてにはあてはまりませんが、序盤での飛車角交換は、角の方が打つ隙が多くて、飛車の打ち込む隙が少ないからこの格言があります。飛車や角を竜、馬にするだけで形勢は有利に進みます。大駒を取ったら、敵陣に打つ隙を見つけて馬や竜を作るのを目指してください。
下段の香に力あり
香は、前にどこまでも進める駒です。自陣に打っても、遠く敵陣をにらむ事が出来ます。香の特性を考えると、下に打てば打つほど、力を発揮するという格言です。
次の局面、香車をどこに打ちますか?
<第1問>
<第2問>
ヒント:後手の一番の狙いは△7八桂成。
答え>>「下段の香に力あり」解説
金は引く手に好手あり
金という駒は、後ろに行ける場所は1つです。横と前にはすべての場所に行けます。ということは、守りを考えた場合、上からの攻めに対してはかなりの防御力がありますが、下から攻められると隙だらけということになるため、金はなるべく下の方にいたほうが金の能力を十分に使えます。 前の格言で金は斜めに誘えとありますが、金を上に出すことにより防御力を下げることができるので歩とかを上手くつかい、相手の連携をみだしてやると、攻めやすくなると思います。
玉は下段に落とせ
王様は万能の駒で、8か所いける駒です。それに対し他の駒は、全部前に進むのが得意な駒で、後ろに効く駒は少ないことから、王様は、相手陣の下の方にもっていく方が寄せやすいです。1番下段だと動ける場所も狭くなるので、これと同じ意味なのが下
中段玉は寄せにくし
上の格言と同じで、将棋の駒の特性上、中段の玉は下段の玉に比べ、逃げ場所も広いし、下から追うのは難しく、へたをすると入玉されてしまいます。よく初心者の方の将棋をみると、王様を追いかけすぎて入玉されてしまっています。特に相手の王様が自陣に入ってきたら、守りゴマが、次々と金になってしまうため、もうつかまえることはできません。
王様は包むように攻めよ
これも相手玉を攻める基本です。片方だけでは追いかける結果になってしまうので、右と左両方から攻めていくと捕まえやすいと思います。相手玉の逃げる方向に駒を打つことを待ち駒といいます。
自陣飛車に好手あり
飛車が手に入ったら、まず敵陣に打ち込むことを考えますが、飛車の打ち場所は敵陣だけではありません。
向かい飛車から後手が△2四歩 ▲同歩 △同飛 と動いてきて飛車交換になった局面。
先手はどこに飛車を打ちましょうか?
答え>>「自陣飛車に好手あり」解説
銀は不成に好手あり
銀の特徴は、斜め後ろに効く所です。その特徴で銀は金より攻めに適していると言われています。敵陣深く銀がいる時は、動かすたびに成るか、成らずか選択になりますが、成った駒は戻ることが出来ません。そのため、銀を動かすときは、この後の展開を考えて決めた方がいいと思います。悩んだときはこの格言を思い出し、成らずにするのも手だと思います。
玉は角道は避けよ
王様を囲うときに、敵陣にある角道は危険ということ、逆に言えば、攻めるときに、角道にいる王様は攻めやすいということなので、受ける時は角道を避け、攻める時は角道にはいったらそこをこじあけるような攻め方をすると攻略しやすいと思います。
居玉は避けよ
初心者のうちは、王様を囲った方がいいと思います。早めに攻めの体制を作り上手く攻めれたとしても王様の囲いが弱いと、ちょっと反撃されただけで、すぐに逆転されてしまいます。 居玉は受けによっぽど自信がないと指しきれません。
開戦は歩の突き捨てから
戦いの始まりは、まず歩がぶつかるところから始まります。プロの将棋を見てるとこの府は、一見関係ない所をつき捨ててから、メインのところを攻めることがあります。そういった時にこの手はどういう意味があるのかなと、考えることが上達の道だと思います。プロの将棋を並べると少しづつ強くなりますが、効果がでるのは半年後と言われています。
金なし将棋に受けてなし
金は、相手の王様を詰ます時に重要な駒であると同時に受けでも、他の駒何枚もっていても、金1枚ないために受からない場面が多々あります。 この特性を考えて、終盤はまずは、相手の王様を狙うよりも、周りにいる金を狙って攻略するのをお勧めします。
負けて覚える将棋かな
この格言は、将棋に限らずすべての事にあてはまると思います。勝負事だから、勝つ人もいれば負ける人もいます。負けた人の方が考え、反省し、次はこうしようとか、負けた方がいろいろ考えたり努力するので、目先の勝敗を気にしないで、プラスに考えた方がいいと思います。
離れ駒に手あり
他の駒との利きがない駒をはなれ駒(浮き駒)といいます。相手の陣形を見て、他の駒との連携がない駒があったら、チャンス到来かもしれません。
7五の銀が「離れ駒」。単に▲2五飛と「銀取り」に当てるのは、△6四銀と逃げられて面白くありません。持ち駒の歩を使いますが…
答え>>「離れ駒に手あり」解説
両取り逃げるべからず
ケースにもよりますが、両取りをかけられる時って、読み筋でかけられる場合と、うっかりでかけられる場合があります。どちらも相手は取る駒は1つなのだから、ほっといて他の手を指した方がいい時があるという格言、うっかりでかけられてしまった場合、さも読み筋ですよという感じで他の手をさすと意外と相手が動揺してどっちもとらない事もありますので、ミスをしたときは、顔にださず、だまってうなずくのがいいと思います。
寄せは俗手で
終盤戦、大駒を切ったりしてかっこよく決めたいものですが、かっこつけて逆転負けしまったというケースが多々あります。最後は確実な手でしっかり相手の王様をしとめましょうといった、変に色気を出さないようにという格言です。
コメント
初心者講座ためになりますね
せっかくでしたら、道場でお客さんが指した将棋の局面を使わせてもらって解説するのはどうでしょうか?
両対局者の了解を得たうえで局面をスマホで撮影させてもらい、対局者名は匿名にして急所や個性があらわれた局面をとりあげたら面白そうです
特に初めて来たお客さんの将棋を解説すれば強く印象に残ってもらえると思います
なるほどです。僕もいろいろやってみたいと思いますが、現状ではちょっと手が足りない感じです。もうちょっと余裕が出てきたら局面を使って分かりやすくしたいのですが・・・